日本政府が「NHKへの受信料支払いは義務」答弁書を閣議決定


日本政府が「NHKと受信契約を締結した者は、NHKに対し、受信契約に基づく受信料を支払う義務がある」とする答弁書を決定したとニュースが流れました。

「NHKに受信料支払う義務」答弁書を閣議決定 スクランブル放送には否定的見解

政府は15日の閣議で、「NHKと受信契約を締結した者は、NHKに対し、受信契約に基づく受信料を支払う義務がある」とする答弁書を決定した。
立憲民主党の中谷一馬衆院議員の質問主意書に対する答弁。

受信料を巡っては、NHKから国民を守る党の立花孝志党首が「受信契約をしないのは法律違反だが、受信料の不払いは違法行為ではない」と主張。
参院議員会館の事務所に設置するテレビについて、NHKと受信契約を結ぶ一方で、受信料を支払わない考えを表明している。

答弁書では「放送法でNHKの放送を受信できる設備を設置した者はNHKと受信契約を締結する義務があると定めている」と指摘。
受信料の未払いへの対応については「政府としては受信料の公平負担の徹底に向けて、未払い者対策を着実に実施することなどを求めており、
NHKが適切に対応されるべきものと考える」としている。

また、N国が主張する、受信料を支払った人だけがNHKを視聴できる「スクランブル放送」については、「公共放送としての社会的使命を果たしていくことが困難になる」と否定的な見解を示した。
一方で、今後の受信料のあり方について「放送をめぐる環境変化や、国民・視聴者から十分な理解が得られるかといった観点も踏まえ、中長期的に検討すべき課題だ」としている。

「受信料支払う義務」がツイッターのトレンドに上がるほど世論も激しく反応しているようです。
そしてその反応のほとんどがこの答弁書に不満をあらわしているものでした。
 
でもちょっと待ってください。
この毎日新聞の報じたニュース、なんだかおかしくないですか。

もう一度この報道をよく読んでみましょう。
確かに最初に「『受信契約に基づく受信料を支払う義務がある』とする答弁書を決定した」と書いてあるのですが、答弁書の内容を伝える中段には

答弁書では「放送法でNHKの放送を受信できる設備を設置した者はNHKと受信契約を締結する義務があると定めている」と指摘。受信料の未払いへの対応については「政府としては受信料の公平負担の徹底に向けて、未払い者対策を着実に実施することなどを求めており、NHKが適切に対応されるべきものと考える」としている。

と、どこにも受信料は支払う義務があると書いていないんですが。
「契約は義務がある」と書いてありますが、受信料については

「政府としては受信料の公平負担の徹底に向けて、未払い者対策を着実に実施することなどを求めており、NHKが適切に対応されるべきものと考える」

と書いてあるだけで、見出しの「NHKに受信料支払う義務」に全然繋がらないんですけど。
答弁書全文を読んでないのでもしかしたら書いてあるのかもしれませんが、少なくともこのニュースの中には「支払いは義務」に対する政府見解は出ていません。
これフェイクニュースじゃないの?と疑いたくもなります。

2017年12月の最高裁にて「テレビを持つ世帯が受信料を支払うことは義務」だという判決が出ています。
同時に最高裁の判決では「受信料未納者から徴収するには裁判でNHK勝訴の判決が必要」とも言っています。
(簡単に言うと契約は義務、支払いについては個別に裁判で争え、裁判でNHKが勝ったら支払いの義務が発生)
今回の答弁書でも「未納者についてはNHKが適切に対応されるべきもの」としており、日本政府はこの判決をなぞっただけで、特に新たな解釈でもないように思います。
 
要は今まで通りという風にしか私には読めないんですが。
ですのでこの件は答弁書が公開され、全文を読んだ上で評価しようと思います。

コメント欄でご意見を聞かせていただけると嬉しいです。