受信料は公共放送を維持運営するための負担金

NHKの上田良一会長が記者会見の場で「受信料は、公共放送の事業を維持運営するための負担金であり、放送の対価ではない」とコメントしました。



ー記事抜粋ー

NHKの上田良一会長は5日の記者会見で、今年7月の参院選で「NHKから国民を守る党」が議席を獲得したことについて「民意の一つとして受け止める」とした上で、「受信料は、公共放送の事業を維持運営するための負担金であり、放送の対価ではない」と受信料制度に対する理解を求めた。上田会長が同党について見解を述べたのは初めて。

同党が、受信料を払った人だけが番組を視聴できるスクランブル放送の実現を主張していることについては「NHKに求められる公共の役割とは相いれない」と否定的な考えを示した。災害報道などを例に挙げ「受信料を財源とすることで、特定の利益や視聴率に左右されず、社会生活の基本となる確かな情報を提供できる」とも強調した。
 
ちなみにこちらの記事で書きましたが「受信料はNHKの維持のための負担金」であることを定義する規定は法律の中にも日本放送協会放送受信規約にもどこにも存在しません。



昭和39年に郵政大臣の諮問機関である臨時放送関係法制調査会が答弁したものをそれ以降政府見解としてきただけで、その答弁にももちろん法的根拠がありません。
そんな受信料を最高裁は2017年に「合憲」と判断しています。
つまりこの国では「法律的な根拠がない政府見解」が「憲法」より優先される異常な状態なのです。

さて、今回NHK会長が記者会見で「受信料は負担金。放送の対価ではない」と名言したわけですが、私はNHKがついにパンドラの箱を開けてしまった気がします。
なぜならこれまでは「受信料は負担金」であることなど、NHK問題に関心のある一部の人しか知らない事実だったからです。
それを今回の報道で多く人が知ることになりました。
その結果、ネット上ではこのような批判の声が上がっています。

・負担金で高給贅沢三昧許せない
・負担金で増収増益大儲け・・・おかしくね?
・NHK新社屋に3400億円使って負担させられてるのか
・負担金ならどの番組にいくらかかったか公開しろ
・民放は500億ぐらいの予算のはず、7000億も負担金を集める必要ないだろう
・高給取りの職員やタレント減らせば負担金も少なくなりますよね?
・職員の優雅な生活水準を意地でも維持するための負担金
・負担金なら帳簿なども公開しろよ
・上級国民様の生活を維持するための負担金
・NHK職員平均年収1124万8281円を“適正化”すれば、国民負担も減るよねー
・何が負担金だよ、国営放送にして税金で運営しろ

当然ながら「負担金」であることを公にしてしまえば、その常識外れのお金の使われ方に不満が出るわけです。

普段みなさんは特に意識をしていないでしょうが、資本主義である日本では「お金は個々の能力に応じて公正に配分されるべき」という原則を常識として持っています。
そのためにその常識が崩された時、人々が怒りを爆発させてしまう事件がこれまでにも何度もありました。

2012年に起きた「お笑い芸人次長課長の河本準一の親族による生活保護不正受給騒動」もその典型例です。

当時多くのレギュラー番組を抱え売れっ子芸人だった河本準一の母親が生活保護受給者であることが週刊誌によって明らかになりました。
その際河本が「タダでもらえるならもろうとけ」などの発言をしていたことも報道され、批判が殺到、その後謝罪会見に追い込まれたのを覚えている人も多いと思います。
この騒動はやがて「生活保護バッシング」にまで発展し、「生活保護でパチンコするな」「高い肉を買うな」など本来論じるべき「生活保護制度の問題」から外れた問題で炎上していきました。

この騒動の背景は「高額な報酬を得ている芸能人が母親を扶養していないことに対する不満」であり、一方で「生活保護バッシング」は「税金が働かずにお金を得ている人の娯楽や贅沢に使われることへの不満」でした。

誰でもお金は欲しいし、贅沢もしたい。
でも「お金は個々の能力に応じて公正に配分されるもの」という常識があるので、多くの人は我慢し不満を押し殺しているのです。
そこに不公平と感じる出来事が起こると、その不満が一気に爆発してしまうのです。

この不満の矛先になるのは「明らかに能力より多くのお金を稼いでいる人」と「働かずにお金を得ている人」のふたつです。
今回のNHK会長の「受信料は負担金」発言は、明らかに前者になります。

これまででもNHKに関しては、見てもいないのに受信料を払うという不満などがありました。
でも「見てもいないのに受信料を払う」ことはみんなも払っているからと不満ながらも応じてきた人が大半です。
しかし今回の件はこれまでとは違います。
NHK職員の自分たちの何倍もの年収を支えるために受信料を払っているのかという不満は到底納得できないでしょう。

なんでNHK職員の高給を負担しないといけないの?

この当たり前の疑問と不満がNHKをじわじわと追いつめていくでしょう。

コメント欄でご意見を聞かせていただけると嬉しいです。